バターコーヒーは市民権を得たか

2019.01.04からだ

2年前ころ流行ったココナッツオイル、最近はほとんど耳にしません。それはMCTオイルというもっと純度の高いオイルが出てきたから。

バターコーヒーもかつての勢いはありませんが、専門店(たとえば最強のバターコーヒー池袋店)もいくつか出てきて、一定数のファンが定着した感あり。私も大好きです。

しかし、そもそもバターコーヒーの作り方は?その効果は?

相変わらずわかりにくく、知らない人が多い。

バターコーヒーの主成分は中鎖脂肪酸ですが、論文をたどると、その効果はダイエット、記憶力回復、認知症、アルツハイマー、便秘など驚くほど多岐にわたります。市民権を得るまでには至っていませんが、私は予防医学的に非常に価値ある飲み物だと思っています。

バターコーヒーの事、久しぶりに再考してみました。

まずは作り方をご紹介。

バターコーヒーの作り方

バターコーヒーの作り方は、完全無欠コーヒー倶楽部を主催しているふじもとあつしさんから教わりました。宗田マタニティクリニックの宗田先生も「ケトン体でやせる!バターコーヒーダイエット」という本を出されていて、その本にも詳しく書いてあります。

準備

MCTオイル、ギー(私はグラスフェッドバターよりギーがおススメ)、コーヒー(インスタントでも可)、ブレンダー、攪拌容器

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コーヒーは粉から入れる方がもちろん美味しいですが、オイルが加わりクリーミーになるのでインスタントでも問題なし。

容器もブレンダーもコーヒーカップもお湯で温めておきます。一人分を作ると、作業の過程で冷めてしまうので。

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作り方

コーヒーを攪拌容器に入れて、MCTオイル大匙1杯、ギー小匙1杯をいれて、ブレンダーで丁寧に(20秒くらい)攪拌する。コーヒー200㏄だと、MCTオイルが20㏄、バターが20gが目安。簡単ですが、容器が小さいとこぼれるので、大きめのものを用意しておくといいでしょう。

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作る時の注意点

ほんとうに美味しいバターコーヒーを作る一番のポイントはブレンドです。100円ショップの泡だて器や、ハリオのクリーマーキュート(2720円)では、乳化不足で美味しくできませんでした。

ブレンダー(フードプロセッサー)で作ると、クリーミーで美味しくなります。安いもので十分です。

MCTオイルブームまでの経緯

・MCTオイルとは何?

MCTを英語で書くとmedium-chain fatty acid、つまり中鎖脂肪酸のことをいいます。カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸の総和で示され、ココナッツや母乳などに含まれる天然成分です。

だから、バターコーヒーの本当の名前は「中鎖脂肪酸オイル入りコーヒー」。これでは覚えにくい・・・

風味付けにバターを加えているため、わかりやすくバターコーヒーと言うのかと理解してます。

・油が悪者だった時代

中鎖脂肪酸の名前を私が初めて聞いたのは、たしか日清オイリオのヘルシーリセッタだったと思います。「脂肪が体につきにくい油」としてインパクトがありました。油は常に健康の敵という時代です。

しかし、その後、油の摂取よりも糖質の摂取の方が体に害があることが徐々に明らかになりました。

その上、日本動脈硬化学会から「食品からのコレステロール摂取の制限をなくす」との趣旨の発表もありました。体内でもコレステロールを多く合成しているので、食事で多く摂取した場合は、合成を減らすようになっているからです。

・シリコンバレー式健康法

2016年上半期ベストセラー第1位の本「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」David Asprey著の中で、IT起業で成功した著者が完全無欠コーヒーとしてバターコーヒーを紹介しました。既存の健康法や理解しにくい理論も多かったけれど、バターコーヒーに関しては素晴らしい内容だと思いました

・消えたココナッツオイル

ココナッツオイルは、60%ほどが中鎖脂肪酸です。しかし、MCTオイルは100%中鎖脂肪酸。

その上、日本人にはココナッツオイルの香りはちょっとくどいようです。買ったはいいけど、どうすればいいのかわからない・・と言う意見が多かったようです。

MCTオイルは摂っていい油

痩せたいから油は控える。そう考える人はまだまだ多いと思います。

前述したように、痩せたければ、控えるべきは糖質、炭水化物です。ダイエット以外にも、予防医学の観点から、炭水化物は控えたほうがいいようで、エビデンスも多く発表されています。

そして、摂ったほうがいい油としては、オメガ3の亜麻仁油やえごま油、オメガ9のオリーブオイル、そしてMCTオイルが頭に浮かびます。

医学論文のデータベース、PubMedでMCT、つまり中鎖脂肪酸を検索すると、3971件がヒットしました(2019.1.4現在)。

ワインに含まれるレスベラトロールのヒット論文、11355件と比べて、一桁少なく、まだまだ認知度は低いですが、これから増えていくのではないでしょうか。以下の数字は、MCTでヒットする論文です。簡単な検索結果なので、実際はもっと多いと思います。

体重に関する論文 448
記憶力に関する論文 21
アルツハイマーに関する論文 14
うつに関する論文 58
コレステロールに関する論文 446

MCTオイルを1日20gとっても血中の脂質の量の増加は見られない、と明記する論文もありました。

糖質を低く抑えた状態でMCTオイルを摂るとやせると言われています。

恐らくその主な理由は、MCTオイルが食欲を抑えてくれることと、脂肪燃焼回路が活性化されること、だと思いますが、メカニズムの精査は今後に期待です。

朝食に炭水化物を摂らずにバターコーヒーのみにすると、前の日の夜からの絶食が、今日の昼まで続くので、脂肪が消費されてやせるわけです。

興味がわいた方は、お店に飲みに行くか、ファミマで買うか、材料をそろえて作ってみてはいかがでしょうか?それほど高くはありません。

ダイエットもうひと絞り、という人にはおススメです。

[merumaga]

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。