フィトケミカルは毒だった

2019.01.21 健康・美

野菜や果物を多く食べる人は生活習慣病になりにくいことは、様々な疫学調査で明らかです。

それは、野菜や果物に含まれる「フィトケミカル」という物質が体のサビをとってくれるから
つまり抗酸化活性があるから!と思いますよね。
ところが、フィトケミカルではない、という意見があります。

 

ゴボウの抗酸化能はグレープフルーツの9倍!えーーーすごーい!
こんなやりとりTVでよくありますよね。
しかしこれらの数値は全て「試験管内」で測定したもの。
口から入ったフィトケミカルはそのほとんどが肝臓で代謝され、抗酸化効果は限りなく低いという考えがあります。

 

なのに、お茶のカテキンやブドウのレスベラトロールはなぜ体にいいのか?
実は「ホルミシス効果」が関与すると言われています。

ホルミシスの特徴は高用量だと毒だけど、低用量だと体にいい。
たとえばジギタリスという薬物は高用量だと不整脈や嘔吐を起こすけれど、少量では心不全のおくすり

食べた野菜や果物のフィトケミカルは抗酸化効果だけでなく、少量の毒性をもって効果を発揮するようです。

 

こんなこと知らなくても生きていかれます。
「あなた、お仕事がんばって~」と渡すお弁当に
実は少量で複数の毒が入っている。

今日も皆さんのお食事に少量の毒が入っていますように。

出典:健康長寿ガイドラインエビデンスブック(東京都健康長寿医療センター)

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。