糖質制限で肉はいくら食べてもいいはウソ

糖質制限,肉食
2018.12.23からだ

糖質制限は、お肉をいくら食べてもいいから、ストレスがたまらない!

こういうフレーズをよく見ますが、無制限に食べていいわけではないんです。

牛肉、豚肉、加工肉には、どんな危険性があるのか?

何グラムまでならいいのか?

赤肉は非アルコール性脂肪肝になりやすい

お肉には赤肉(牛肉や豚肉など)と白肉(鶏肉など)があります。加工肉はハム、ソーセージなど。

この記事で説明する危険性は、赤肉、つまり牛肉と豚肉と加工肉の情報です。

 

赤肉や加工肉を多く食べると、非アルコール性脂肪肝になりやすい。これは、アルコールを飲まないのに肝臓に脂肪がたまる疾患です。

この情報は、2018年3月にJournal of Hepatologyという学会誌で発表された論文。雑誌のImpact factorは15、つまり非常に信頼性が高いわけです。

イスラエル人のデータをそのまま日本人に適応することは出来ませんが、脂肪肝との関連性は新しい所見で注目が集まっています。

肝臓は代謝のセンターなので、ダイエットでも重要、大切にしたい臓器です。

赤肉でインスリン抵抗性が増加

インスリン抵抗性とは、膵臓からインスリンがちゃんと出ているのに、機能しなくなる状態を言います。

牛肉、豚肉、加工肉を多く食べると、このインスリン抵抗性が増加することがわかりました。

せっかく肉食でやせたのに、インスリン抵抗性が増加しては本末転倒。太りやすくなってしまうだけでなく、糖尿病の可能性も高まります。

インスリン抵抗性には、赤肉をウェルダンで焼く、高温で長時間調理した時に出来る「ヘテロサイクリックアミンHCA」という物質が関連するとか。

赤肉と加工肉の発がん性は常識

WHOが発表している「国際がん研究機関の発がん性評価」では、様々なものの発がん性を5段階に評価しています。

加工肉の発がん性:発がん性あり(最も危険)

赤肉:おそらく発がん性あり(次に危険)

エビデンスが沢山出ているので、これはもう常識と言っていいでしょう。

現段階では赤肉は週に500g以下が目安

上記の論文では、「病気との関連性あり」までは分かっていますが、日本人がどれくらい摂ると危険か、までは分かっていません。

最も研究が進んでいるがんの分野では、「国際的な基準では赤肉の摂取は1週間に500gを超えないようにすすめてる。」とされています(27年国立がんセンターの発表)。

今のところ、この数値を基準に考えるのが妥当でしょう。

赤肉、加工肉の危険性が明確になっても、摂取基準が出来るまでには、多くの臨床データやアンケート結果が必要。つまり現段階では「摂取基準は不明」なんです。

これだけ脅しておいて不明とは!と思われるかもしれませんが、これが科学データと実生活とをつなぐもどかしさ。

成人日本人の1日の平均は、男性ではハム、ソーセージ類を13.7g、牛豚肉を41.3g、女性ではそれぞれ11.0g、28.7gだそうです(平成25年の国民健康栄養調査を参照)。

この数値を見ると、まだまだ余裕ですが、5年たった平成30年の現在、糖質制限のおかげで肉の摂取は増えている人が多いはず。

また、スポーツ施設では、タンパク質推奨量を体重x1.4gとするところもあります。
この計算でいくと、すべて赤肉で摂ったら軽く500g/週は超えてしまいます。

 

予防医学の立場からは、タンパク質は、肉、魚、大豆からまんべんなくとる、やはりそういうことになります。

曜日でメニューを決めるとか、週に1日はサバ缶の日と決めるとか。楽な方法を考えてないと、ですね。

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。