日本人の睡眠改善はズバリお風呂

2019.07.28CONTENTS

入眠に関するシステマティックレビュー(世界の研究の総まとめ論文)が、Sleep Med Revという雑誌で発表されました。予防医学の極意は、日常の工夫にあり!

寝る90分前のお風呂が睡眠の質を上げる

世界中の論文を、統計に強い先生がまとめたところ、就寝の90分前に体を温めることで、眠りやすくなり、睡眠の質もよくなる、とのことです。

温泉の国「日本」に住む私としては、お風呂の効果を海外の人に言われなくても知ってるわ、と言いたくなりますが・・・

 

論文では、睡眠の質を次の項目で調査

・横になってから寝るまでの時間(入眠潜時)

・途中目が覚めるかどうか(中途覚醒)

・寝てる時間の合計(全睡眠時間)など

 

多くの人が知っていると思いますが、夜、眠りにつく時に、体の深部の温度が下がり、代謝が低下し、脳の温度も下がります。昼にフル稼働だった体も心も、このようにゆっくり休みをとる。

カラダの末端まで温めることが大切

深部温度を下げるためには、まず、手足の末端まで血流がよくなり、温まることが重要。

夏はシャワーでも十分ですが、お風呂の国の日本に住む私たちは、ぬるいお湯につかるのがベスト。

 

眠くなるメカニズムは、まず、手足の血流がよくなり、体の末端(手足)の温度が上昇。一方で、体の深部の温度が低下。この温度差があればあるほど、入眠時間が短くなる、つまり寝つきがいいそうです。

 

そう考えると、あまり熱い部屋で寝ていると、深部温度も下がらず、睡眠の質が悪くなるのも納得です。

温泉医学はもっと進んでいる

海外の論文の「身体加温」はおそらくシャワー。

私たちの日常にあるお風呂は、お湯に体を沈める、これは全く違うアプローチの加温です。さらに、「温泉」となると、シャワー効果と比べることが失礼なほど。

 

私が入っていた日本温泉気候物理医学会が出している「新温泉医学」によると、温泉の効果は3種類

1)体全体への効果(温度、浮力、圧力)、痛みを除き、神経が休まり、ハーモニーが正常化する。

2)個別の治療効果、飲んだり、入浴の行為、皮膚刺激により目的の効果を得る。

3)日常を離れて自分を見直す健康効果

 

温泉に行く時間がなくても、入浴剤とお風呂で、論文以上の入眠効果が得られます。

ご紹介した論文のインパクトファクターは10.5、とても信頼できる雑誌です。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31102877

写真は摩周湖近くの硫黄山

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。