MCTオイルを飲むと血糖値が下がる?
ココナッツオイルは脂肪を燃やしてダイエット効果があると注目されていますね。
ところがそれだけでなくて、血糖値を下げる効果もあることが、東北大学の山田哲也先生により発見されました。
その正体は、ココナッツに含まれるオクタン酸。聞いたことない名前ですよね。
MCTオイルは血糖値を下げる効果がある
実はオクタン酸は、ココナッツオイルよりもMCTオイルに、8倍多く含まれています。
カプリル酸の方が、なじみがあるかもしれません。
ココナッツオイル* | 7.5g (食品成分表参照) |
MCTオイル* | 60g(勝山館サイト参照) |
*:各100g中
ということは、MCTオイルの方が血糖値を下げる効果が8倍高いということです。
MCTオイルはどうやって摂るのか?
甘いものを食べすぎた時は、MCTオイルを摂ってください。
まずは、先日ご紹介したMCTオイルの入ったバターコーヒーが頭に浮かびます。
詳細な作り方は、以下のブログでご紹介しているので、参考になさってください。https://mutoshiki-diet.jp/blog/butter-coffee/
コーヒーを飲まない方は、トマトジュース、野菜ジュース、スープにMCTオイルを入れても無理なく飲めると思いますよ。
お味噌汁に入れてみましたが、私は油が気になってしまいました。
糖以外にインスリンを出す物質があった!?
インスリンを出すものは、糖しかないと思っていたら
脂肪酸にも同じような効果があったなんて驚きです。
オクタン酸のすごいところは、血糖値が正常な時は作用せず
血糖値が高いときにだけ、それを正常まで下げてくれるところ。
油は食品だから値段も安いし、いろんな料理でつかえるので、今後の展開が楽しみです。
この発見の発端は、においの受容体が膵臓のβ細胞に見つかったことです。
鼻の中にしかないと思っていたにおいの受容体が、体の中にもあったなんて、面白いと思います。
以前、アロマセラピーの講習会に行ったときに
香りで治療する方法と、薄めて飲んで改善する方法があると聞いたとき
どうもピンとこなかったんだけど、今回の論文で、謎が解けました。
論文の中身はこちら(興味のある方は以下もお読みください)
この論文は、Scientific reportsというネイチャー系オープンジャーナルに発表されました。
オープンジャーナルは、だれでも読むことができます。英語ですが。
論文のタイトルを訳すとこんな感じです。
「(鼻の奥にしかないと思われていた)嗅覚受容体が、なんと膵臓のβ細胞にもあって、(この受容体が活性化されると)糖を食べた時に出るインスリン分泌を促進する」という内容。(武藤脚色バージョン) 発見者は、東北大学、糖尿病代謝内科学分野の山田 哲也准教授のグループです。大学のリリースはこちら。
Yahooニュースでは「血糖値を下げるインスリンの分泌、ココナッツのにおいで活性化」とありました。
最初に見出しを見たときに、ココナッツの匂いを嗅ぐと血糖値が下がるの??って思ったのは、私だけではなかったと思います。
実際は、ココナッツのにおいを嗅いでも血糖値は下がりません。
オクタン酸を飲むと、膵臓のβ細胞に届き、インスリンが出て、血糖値が下がるわけです。
オクタン酸はにおい物質。ココナッツのあの南国風の香り?と思いきや、「弱い不快な腐敗臭、動物臭」がするそうです。私にはピンときませんが・・・ココナッツのいいにおいの下に、オクタン酸の不快臭が隠れているのかもしれないですね。
この論文で調べた「嗅覚受容体」が、オクタン酸という脂肪酸の受容体です。受容体は物質の受け皿で、ためしてガッテンでは、よくカギと鍵穴で説明されています、はい。
オクタン酸(カプリル酸とも言いますが)は、中鎖脂肪酸(炭素8個)という分類にはいり、言わずと知れたダイエットの強い味方であります。ケトン体に代謝されやすく、さらに認知症の予防改善にもつながるありがたい脂肪酸です。
それにしても、においに関する受容体が、鼻から遠く離れた膵臓にもあるなんて、人体って不思議です。
面倒な論文解説を、ここまで読んでくださってありがとうございました。