精神科医療との付き合い方

2019.12.10 健康・美

精神・発達障害に特化した就労移行支援事業所「ペガサス平塚センター」で
「精神科のおくすりと医療関係者との付き合い方」というお話をさせて頂きました。

精神科の薬剤師をしているわけでもない私ですが
義理の妹の疾患を通して経験したことを加えつつ
薬の吸収・代謝のメカニズムにも少しふれました。

参考本:

「今日の治療薬」南江堂

「精神科のくすりがわかる本」姫井昭男・医学書院

「抗精神薬の使い方に差がつく本」姫井昭男・中外医学社

主治医と信頼関係を築こう

どの疾患も同じですが
まずは、先生との信頼関係を、患者側からも築くようにしましょう。

病状が重いと難しいかもしれませんが
医療を「受ける」という発想から
「一緒に治す」という考え方にシフトしていく、これが大事だと思います。

また、ご本人や家族の方が、薬に関する本を読み、勉強していることを伝えるのも大切です。

真摯に伝えれば、病気を治したい、家族を元気にしたい、という思いはきっと伝わります。

コミュニケーションの取れない医師は・・・

5分しか診てくれない、忙しそう、どうせ症状が変わらないから・・・
などと言って、我慢することはよくありません。

患者を見くだすようなものの言い方をする先生も時にはいらっしゃいます。
人と人との付き合いで、おかしな話だと思います。

精神疾患の患者さんは環境が変わることを、ことのほか不安視します。
そのため、コメディカルのスタッフの方が
良かれと思って転院を阻止することもあるようです。

家族や信頼できる人と相談して
必要であれば、転院もいいのではないでしょうか。

飲み忘れを防ぐには

精神疾患の薬は、薬の飲み忘れが悪化に直結することが多いので要注意です。
薬の中止または減薬にも時間をかけて、丁寧な観察を要します。

まずは、病気と薬の関係について、よく理解してもらうことが重要。

姫井先生が書いていましたが
「なぜわからないけれど、胃酸が人より多く出てしまう人がいます。その場合、制酸剤を飲まないと、胃潰瘍になる。同じようにあなたの場合は、ドパミンが人より多く出てしまう。抑えるお薬を飲みましょう。」

こんな感じだと、理解しやすく、服薬順守につながりそうです。

薬が合わない、変えたいと思ったら

おそらく、効果が感じられない、または、副作用がつらい、のどちらかだと思います。

丁寧に、医師・薬剤師に伝え、微調整をしてもらいましょう。

薬によっては、効果の前に副作用が出てしまうものもあります。
少なくとも4週間は飲むというのも一つの考えです。

精神科のくすりは、根本治療ではないので
「人や家族が、社会的損失を被る状態を解消する」ものと考えるのがいいようです。

 

<ペガサスの方から頂いた感想の一部です>

・薬が効くまでの時間、半減期などを知り、服用の間隔の大事さが分かった。

・医師、薬剤師が上で、患者が下という上下関係でないことを知ってよかった。

・「今日の治療薬」という本が役に立ちそうです。

・利用者さんが自分に合った薬を服用するために、主治医との関係性が大事なんですね。

・利用者さんの支援に薬の知識を役立てます。

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。