内館牧子の「品格ある衰退」
2019.08.19 健康・美
内館牧子の「すぐ死ぬんだから」を読みました。
この小説、話題になったので読まれた方も多いのでは。
主人公は78歳の女性「手入れをしない 汚い年寄りはならない!」という徹底した考えを持っている。
「60歳にしか見えないわ」「若くてキレイ」など言われているが
実は、あと一歩で「痛い若づくり」に踏み込むそんな感じ
そして、折り紙が趣味の平凡すぎる夫が亡くなった後
夫には、もう一つの家族が・・・という展開内館牧子節が面白いです。
「あとがき」がよかった。
「どうせ死ぬんだから」という免罪符の元に自分に手をかけず外見を放りっぱなしにする生き方
これが「セルフネグレクト」だということ。
中年以降、若さではない美しさにどんどん差がつく
男女問わず、誰もが感じる「自分が他人からどう見えるか、という気働きを持っている人を周囲は美しいと感じるのでは」と書いてありました。
国際政治学者の言葉「品格ある衰退」をヒントに内館流・理想の老齢化を考えたのがこの小説。
セルフネグレクトの反対は無理して化粧で若返る、のではなく品格のある衰退、なのだと。
では、「品格ある衰退」のために何をすればいいのか一つはスキンケア。
自らを慈しむことで、自分のカラダと心に意識が向かう。
もう一つはメイク。社会の一存在であることの自覚をもたらし、励みになる。
「私的自意識」「公的自意識」というらしい。
生き方やファッションが大事なのは言うまでもない。
男性も40過ぎたら鏡を見る習慣、大事です。