糖質制限が耐糖能を悪化?
糖質制限の是非は、ほんとうに話題に事欠かない
今日は、糖質制限が耐糖能を悪化させるかも、という話です。
耐糖能とは
さて、タイトルにある耐糖能とは
糖質を摂ったあとの「血糖値の上昇」のこと
耐糖能がいい、ということは
砂糖水を飲んだ後
血糖値が正常にゆるやかに上がり、ゆるやかに下がること。
砂糖水を飲んで血糖値がある程度上がるのはあたりまえです。
反対に、耐糖能が悪い、ということは
砂糖水を飲んだ後、血糖値が急激に上がる状態です。
糖質制限で耐糖能が悪化する論文はこれ
ランセットという有名な雑誌に
1998年に山梨医科大学の研究が掲載されました。
21歳の4人の男性
検査前日の夕飯に「糖質多く・脂質少なめな食事」を食べました。
(炭水化物80%、蛋白15%、脂質5%)
別の4人は
糖質少なく、脂質多い食事を食べました
(炭水化物10%、蛋白25%、脂質65%)
1週間たってお互い逆の食事で再実験
するとです!
夕飯に、低糖質高脂質の夕飯を食べたグループの
耐糖能が悪化したのです。
つまり砂糖水を飲んだあとの血糖値が急激に上昇しました。
著者は
糖質をほとんど食べなくすると
膵臓のβ細胞が委縮して
インスリンが出にくくなるのでは、と推測しています。
糖質制限は耐糖能を悪化させる
という論文は数多く出ています。
うわ、怖いわ、今さら言われても~
と思いますよね。
逆の論文も出ています
New England Journal of Medicine
という、これまた権威のある雑誌には
「糖質制限しても耐糖能に変化は見られない」
と結論づけた論文が掲載されました。
糖質制限の大家、江部康二先生も
「臨床の現場では耐糖能の悪化はみられない」
とブログに書かれています。
じゃ、どうすりゃいいの?
自分をよく観察して 自分で考える
これなんです。
もちろん、健康診断で
血糖値やHbA1cのチェックは大切です。
私がおススメする糖質制限ダイエットは
3か月で結果を出すこと
そしてダイエットが終わったら
徐々にお米を食べる生活に戻す
ご飯の量は多少少なめがいいかもしれませんが
これも人に寄ります。
自分でいろいろと試して、考えるのが一番です。
Lancet. 1998 Jul 25;352(9124):289