第6の味覚「脂肪味」で生活習慣病を予測できる?

2019.06.16

5つの味覚言えますか?
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味

これに「脂肪味」という新しい味覚が加わりました。

生活習慣病にも関係するこの味覚、いったいどういうものなのか、私も興味津々です。

脂肪の味に鈍感だと生活習慣病になりやすい?

何人かで食事をしていると、こんな会話ありませんか?

「この料理ちょっと油が多いわ」

「そう?私にはちょうどいいけど」

オーストラリアのディーキン大学の研究によると、脂肪味の感じ方は人によって違いがあり
脂肪味に鈍感なほど、生活習慣病のリスクが高いことがわかりました。

脂肪の多いものを頻繁に食べていると、脂肪の味に鈍感になるのでいくらでも食べられる、と考えられているようです。

「脂肪は美味しい」と伝える神経があった

九州大学の五感応用デバイス研究開発センター(名前がカッコイイ)の研究員が
脂肪味を伝える神経を同定しました。

これは残念ながら人ではなく、マウスの実験です。(マウスも油やスイーツが好きなんですよ。)

発見1:

脂肪に反応する鼓索神経(味を脳に伝える神経)が全体の約18%ある。

発見2:

甘味やうま味に反応する鼓索神経のうち、半数以上が脂肪味にも反応する。

つまり、脂肪味も甘味やうま味として感じているかもしれないのです。
たしかに油ってちょっとあると美味しいですよね。

いい油を摂っていたら脂肪味に敏感になる?

九州大学の実験は、オメガ6のリノール酸で行っています。

オメガ6のリノール酸は、必須脂肪酸ではありますが、現代人は摂りすぎと言われいて
炎症やアレルギーにも深く関係する脂肪酸です。

オメガ3の亜麻仁油やオメガ9のオリーブオイルで実験をしたらどんな結果になったのでしょうか。

味覚は育てるもの。
日ごろから油はこだわって、オメガ6を減らし、オメガ3、9、MCTオイルなどを摂って
脂肪味を育てていきたいです。

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。