コーヒーとはちみつで咳が止まる

2019.12.12

近所の薬局ではちみつの勉強会をして、はちみつの底力を知りました。

お子さんが夜に咳こむと背中をさすってあげたりして、お母さんも眠れないし

社会人も、咳くらいじゃ仕事休めないけれど、思いのほかつらい。

そんな時は「はちみつ」を活用しましょう!これもりっぱな予防医学です。

薬と同等の咳止め効果

論文を読んでびっくりしました。

はちみつと、無治療、プラセボ、デキストロメトルファン(非麻薬性鎮咳薬)を比較した研究結果を世界中からあつめて、解析したところ以下の事がわかりました。

はちみつは、無治療やプラセボと比べて咳を抑える効果が高い

つまり、咳がつらくて薬がない時は、はちみつをお湯、または牛乳に溶かして飲むといい、ということです。

この論文は、誰でも見れる信頼できる健康情報「コクランデータベース」(英語だけど)に載っているので、信頼性はお墨付き。その上

咳止めの薬のデキストロメトルファンとほぼ同じ効果がある

という結果も示されています。

ちなみに、1歳未満のお子さんは、乳児ボツリヌス症の危険性があるので、お薬を処方してもらいましょう。

はちみつ入りコーヒーで咳がおさまる

お子さんだけではないのです。

イランの大学病院では、はちみつ入りコーヒー、プレドニゾロン(ステロイド剤)、鎮咳薬で咳止め効果を研究しました。

何故コーヒーかと言うと、コーヒーに含まれるカフェインが気管支拡張作用があるからです。

面白いこと思いつきましたね。その結果

最も効果があったのは、はちみつ入りコーヒー(咳の頻度が2.9から0.2に減少)

次が、ステロイド剤(3から2.4に少し減少)

最期が鎮咳薬(2.8から2.7に少し減少)

ダントツ、はちみつ入りコーヒーが効果ある、という結果です。

1日3回このコーヒーを飲み、はちみつは20.8g(大匙1杯)1週間飲み続けるプロトコルでした。かなり甘いかな~

でも、咳がひどい時に試したら、ことのほか美味しかったです。

メカニズムは咳中枢か

何故咳を抑える効果があるのか?抗菌作用だけでは説明がつかない気がします。

詳しく調べていませんが、東京理科大学薬学部と山田養蜂場みつばち健康科学研の研究発表を発見しました。

モルモットの実験で、鎮咳効果の一部は、オピオイド受容体が関係している、つまりモルヒネ様物質と同じ効果

それなら効果あるのもわかります。ほかにも様々な研究がありそうで、興味深いです。

はちみつの種類は問わない

いくつかの論文を見てみると、はちみつの種類は様々でも、同じ効果がありそうです。

蜂蜜と言えば、気になるのがマヌカハニー

メチルグリオキサールという抗菌成分の含有量(MGO)またはUMFという値により、お値段が跳ね上がります。

PLOS ONEというジャーナルの論文によると

抗菌効果とUMFの数値は関係ない

と結論づけられていました。

ニュージーランドのマヌカハニーは熱烈なファンが多いことを考えると、このデータだけでは何とも言えません。味も独特で美味しいですね。

楽しい勉強会でした。声をかけてくれたHさん、次は何をしますか?またやりましょう!

武藤順子

AUTHER武藤順子

運動と脳とキレイを科学する女性研究者。武藤順子予防医学研究室室長。薬剤師・体育科学博士。医薬翻訳会社経営の傍ら、経営者のダイエットコーチングもサポートしている。